(僕は毎日毎日身を削って尽くしてきました)

「うん。分かってる」

(だったら授業中に僕で遊ばないで下さい! 貴方がシャーペンでグサグサ刺してき たり、
僕をちぎって友達に投げたりするから僕はもうボロボロですよ!?)

「……すまん消しゴム。今度からは自粛するよ」

(私……もう駄目みたいだわ)

「今まで有り難う。君のおかげでこの家は随分と明るくなった」

(ふふ……私の方こそ礼を言わなきゃね。この家に来れて楽しかったわ)

「…………」

(ああ……もうお迎えが来たようね。最後に……貴方の未来に光あれ!)

「うわっっ!! …………逝ったか。この蛍光灯最後に根性を見せたな」

(腹減った、何か吸わせろーー)

「すまんが基本的にゴミの方々には話し合いで出て行ってもらってるから出番はあん まり無いぞ掃除機」

(そんなぁ、ひもじいよー)

「聞こえない聞こえない」

「じゃぶじゃぶ」

(がぼぼぼぼぼぼ)

「ぎゅうぎゅう絞ってと」

(ぬぎぎぎぎぎぎ)

「偶には勉強机を拭いてやらないとな」

(もっとオレを使ってくれりゃあ良いんだが、拭いてくれるんだから今は我慢しとく か)

「机に向かってるとどうしても眠くなってな」

(ぐがっ、ふぎっ、あのっ、うぎゃっ、すみませんが!)

「どうした雑巾」

(もっと優しく拭いた方が良いんじゃないかと、机が痛みますよ?
いや別に僕が痛 いからとかじゃなくて)

「だってさ、優しく拭いた方が良いか机?」

(いや、オレは強く擦っても大丈夫な素材だからもっと強く擦ってくれ)

「だってさ、残念だったな雑巾」

(うそーん)








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