(ぎゃあ!げほ!がっ、も、もうや、止め……、ぐあっ!)

(だ、駄目だ……。死ぬ……。ぐはっ!)

(……………………もうだめ)

「し、失礼しました!」

「何だ少年!君もボクシングをやらないか?」

「い、いえ……。結構です(サンドバックの悲鳴が凄い……)」

「そうか、残念だ。また気が向いたらおいで!」

「……はい」

(ぎゃああぁぁぁ……)

(旦那、旦那!)

「おお、働き蟻No.4219じゃないか。どうした?」

(助けてくだせぇ!働き蟻No.2756の奴がアリジゴクの野郎に!)

「!わかった。すぐ行く!」



「ほら、この棒につかまれ」

(旦那……。かたじけねぇ……)

(ああっ!ちょ、ちょっと!僕の獲物なに盗ってってんだよ!)

「悪いな、アリジゴク。蟻たちとの付き合いのほうが長いんでな」

(あああぁ……。そんな、僕の食料……)

「後でベーコンかなんかもって来てやるから、な?」

(う、うぅ……)

(我らー!黒翼連合はー!長年にわたるー!白羽同盟とのー!争いにー!決着をつけるためにー!今日ここに集まったー!)

(白羽同盟よー!)

(((覚悟せよ!!)))



(我々―!白羽同盟はー!負けるつもりはー!毛頭無いー!)

(今日はー!強力な援軍を呼んできたー!前面に出ろー!飛翔鼠傭兵団!!)



(うわ!カラスが相手なんて聞いてないよ!絶対ムリ!)

(すずめがカラスに勝てるわけないだろー!)

(みんな逃げろー!)



(強力な援軍が片腹痛いわ!皆のもの、今のうちに出陣じゃー!)

(((うおおおお!!)))



(飛翔鼠傭兵団!?……くっ、仕方が無い。空飛ぶねずみなどに頼らなくても、我ら白羽同盟は無敵!さあ、出撃せよ!)

(了解!一番隊、前へ!)

(((Sir!Yes,Sir!!)))



「……いつかはこの時が来ると思っていたんだ。今度ばかりはナワバリ紛争調停委員会もお手上げかも知れない」

「ハトとカラスが凄い喧嘩してるなっ。お爺さん真ん中にいるけど大丈夫かなっ。……ところでさっきからぶつぶつ何言ってるのっ?」

「説得の方法を……。いや、なんでもない」








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